楽観主義者が最後に笑う
モラトリアムな大学生・田口明は焦っていた。大学四年、五月。就職氷河期だというのに、準備も何もしていない彼には、一度捨てた夢があった。高校を卒業した後、目指した職業・コピーライター。再びその夢の魔法にかかってしまった明は、制作会社をメインに就職活動を始める。
それと同時に起こる、様々な問題。六十を過ぎた母親は、明の貯金を持って世界旅行へ。冷徹な父は、「女房元気で留守がいい」を地で行く宇宙人。飼い犬のシロだって、明の言うことは聞かない。大学であまり仲良くなかったやつも、女性問題から田口家に居候し始め、周りはみんな好き勝手。それでも、実家暮らしだと文句が言えず、就職を機に自立することを心に強く決める。
『将来の夢=就職ではない。やりたいことを仕事にできるほど、現実は甘くない』。ゼミの沢村先生はそう言うが、どうしてもやりたいことが自分にはある。遅いスタート、すでに負け組。周りに踊らされまくる気弱男子大学生の脱線・就活ストーリー。
この小説は、私が実際に就活に失敗した体験談を元に書いた小説です。
noteで無料公開したとき、♡6つをいただきました。
やりたいことをやらなくちゃならなくなる頃って、必ずあるんです。
それと自分の気持ちとどうやって折り合いをつけていくか。
この話には答えが載っていませんが、考えてみてくださると幸いです。
夢と安定した生活。どちらも取りたいと思っても、なかなか現実は難しいです。
私みたいに人間が苦手なタイプには尚更ですね。
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